最終更新 2026-10-19

超臨界乾燥とは(超臨界CO2)

Supercritical Drying

超臨界乾燥とは、洗浄の後に残った液体を、液体と気体の区別がない超臨界の状態を経由して取り除き、表面張力をかけずにウェハを乾かす方法で、主に二酸化炭素を使います。ふつうの乾燥では液面が下がるときの表面張力で細いパターンが倒れるため、微細なDRAMやロジックでパターン倒壊を防ぐために使われます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

超臨界乾燥とは、洗浄の後にウェハの表面に残った液体を、液体と気体の区別がなくなる「超臨界」という状態を経由して取り除くことで、表面張力をかけずにウェハを乾かす方法です。半導体では主に二酸化炭素(CO2)を使います。細く高いパターンが乾燥のときに倒れてしまうパターン倒壊を防ぐための技術として、微細なDRAMやロジックの製造で使われ始めています。

ふつうの乾燥では、パターンの間に残った液体が蒸発するとき、液体と空気の境目(液面)がパターンの間を下がっていきます。このとき、表面張力によってパターンどうしが引き寄せられ、細く高いパターンほど倒れたりくっついたりします。表面張力の小さいIPA(イソプロピルアルコール)に置き換えて乾かす方法が使われてきましたが、パターンの幅が細くアスペクト比が高くなると、それでも防ぎきれなくなりました。

二酸化炭素は、31.1℃・7.38MPaを超えると超臨界の状態になり、液体のように物を溶かしながら、気体のようにすき間に入り込み、液面を持ちません。超臨界乾燥では、まずウェハの上の液体をIPAなどに置き換え、高い圧力の容器の中でそれを液体または超臨界のCO2に置き換えます。その後、圧力を下げるとCO2は液面を作らずにそのまま気体になって抜けるため、パターンに表面張力がかかりません。高い圧力に耐える装置が必要で、処理の時間とコストが課題です。

図解

洗浄とリンス、IPAへの置換、高圧での二酸化炭素への置換、減圧による気体化の超臨界乾燥の流れ
CO2の臨界点は31.1℃・7.38MPa。

よくある質問(FAQ)

なぜ超臨界乾燥ではパターンが倒れないのですか?
パターンを倒す力は、乾燥のときに液体と気体の境目(液面)で働く表面張力です。超臨界の状態では液体と気体の区別がなくなり、液面ができません。その状態から圧力を下げて気体にするため、パターンの間を液面が通らず、表面張力がかかりません。
なぜ二酸化炭素を使うのですか?
二酸化炭素は、31.1℃・7.38MPaという比較的扱いやすい温度と圧力で超臨界の状態になるためです。水は374℃・22MPa程度が必要で、ウェハの処理には向きません。二酸化炭素は燃えず、毒性も低く、使った後は気体として回収・再利用できる点も利点です。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 精密工学会「超臨界流体と微細プロセス(精密工学会誌 86巻9号)」(2026/10/19 確認)
  2. 表面技術協会「先端半導体洗浄技術の課題と展望(表面技術 59巻8号)」(2026/10/19 確認)