超臨界乾燥とは、洗浄の後にウェハの表面に残った液体を、液体と気体の区別がなくなる「超臨界」という状態を経由して取り除くことで、表面張力をかけずにウェハを乾かす方法です。半導体では主に二酸化炭素(CO2)を使います。細く高いパターンが乾燥のときに倒れてしまうパターン倒壊を防ぐための技術として、微細なDRAMやロジックの製造で使われ始めています。
ふつうの乾燥では、パターンの間に残った液体が蒸発するとき、液体と空気の境目(液面)がパターンの間を下がっていきます。このとき、表面張力によってパターンどうしが引き寄せられ、細く高いパターンほど倒れたりくっついたりします。表面張力の小さいIPA(イソプロピルアルコール)に置き換えて乾かす方法が使われてきましたが、パターンの幅が細くアスペクト比が高くなると、それでも防ぎきれなくなりました。
二酸化炭素は、31.1℃・7.38MPaを超えると超臨界の状態になり、液体のように物を溶かしながら、気体のようにすき間に入り込み、液面を持ちません。超臨界乾燥では、まずウェハの上の液体をIPAなどに置き換え、高い圧力の容器の中でそれを液体または超臨界のCO2に置き換えます。その後、圧力を下げるとCO2は液面を作らずにそのまま気体になって抜けるため、パターンに表面張力がかかりません。高い圧力に耐える装置が必要で、処理の時間とコストが課題です。