レジスト剥離(ストリップ)とは、エッチングやイオン注入でマスクとして使い終わったフォトレジストを、ウェハの表面から取り除く工程です。1枚のチップを作る間に露光とエッチングは数十回繰り返されるため、レジスト剥離もそのたびに行われる、最も回数の多い工程の1つです。レジストを残すと次の工程で汚れや欠陥の原因になるため、下の膜を傷めずに完全に取り除くことが求められます。
方法は大きく2つあります。1つは酸素のプラズマでレジストを燃やすように分解して取り除くドライの方法で、アッシングと呼ばれます。もう1つは、硫酸と過酸化水素の混合液(SPM)や有機の剥離液でレジストを溶かすウェットの方法です。多くの工程では、まずアッシングで大部分を取り除き、残ったかすや汚れをウェットの洗浄で仕上げる組み合わせが使われます。
特に難しいのは、高い濃度のイオン注入でマスクに使ったレジストです。イオンが当たったレジストの表面は炭化して固い殻(クラスト)になり、普通の条件では取れにくくなります。急に温めると、殻の内側で発生したガスで殻が破裂し(ポッピング)、パーティクルを散らします。また、下の膜がLow-k膜や金属のゲートのように酸素のプラズマや薬液に弱い場合は、水素系のプラズマを使ったり温度を下げたりして、下の膜を傷めない条件を選びます。