表面張力とは、液体が表面の面積を小さくしようとする力で、水は約72mN/m、IPAは約22mN/mです。半導体では、乾燥時に液面がパターンを引っぱる毛管力の大きさを決め、パターン倒壊の主因になります。表面張力の小さいIPAへの置換、疎水化処理、表面張力がゼロの超臨界CO2乾燥などで対策します。
目次7項目
- 定義・解説
- 図解
- よくある質問
- 設備の製造メーカー
- 関連用語
- 比較・違いを学ぶ
- 出典・参考資料
定義・解説
表面張力とは、液体がその表面の面積をできるだけ小さくしようとする力です。水滴が丸くなるのは、液体の内部の分子どうしが引き合っていて、表面の分子が内側へ引っぱられるためです。単位はmN/mで、水は室温で約72mN/m、イソプロピルアルコール(IPA)は約22mN/mです。
半導体の洗浄・乾燥では、表面張力がパターン倒壊の主な原因になります。細かいパターンの間に残った液体が乾くとき、液面がパターンの側面を引っぱる力(毛管力)が働き、高く細いパターンが倒れたりくっついたりします。この力は表面張力に比例し、パターンの間隔が狭いほど大きくなるため、乾燥の前に水を表面張力の小さいIPAに置き換えるIPA乾燥が広く使われています。
さらに微細な構造では、表面を疎水化して液体との接触角を90°に近づけ、毛管力を弱める表面処理や、表面張力がゼロになる超臨界二酸化炭素を使った乾燥も使われます。表面張力の違いで液体の流れを作るマランゴニ乾燥、はんだがパッドにぬれ広がる力、CZ法のシリコン融液の対流など、表面張力は製造のさまざまな場面にかかわっています。
図解
値は室温の代表値。よくある質問(FAQ)
表面張力が小さいとなぜパターンが倒れにくいのですか?
乾燥のときにパターンを引っぱる毛管力は、液体の表面張力に比例するからです。水(約72mN/m)からIPA(約22mN/m)に置き換えると、同じ形のパターンにかかる力は3分の1ほどになります。接触角を90°に近づける疎水化処理でも力を弱められます。
超臨界乾燥とは何ですか?
二酸化炭素を高い圧力と温度にして、液体と気体の区別がない超臨界状態にしてから乾かす方法です。超臨界状態には液面がなく表面張力が働かないため、非常に微細で倒れやすいパターンでも倒壊を防げます。装置が高圧になるため、コストは高くなります。
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