ECRプラズマ(電子サイクロトロン共鳴)とは

Electron Cyclotron Resonance Plasma

最終更新:2026-10-04・ドライエッチング装置・エッチング装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

ECRプラズマ(電子サイクロトロン共鳴)とは?

ECRプラズマ(電子サイクロトロン共鳴プラズマ)とは、磁場の中で回転する電子とマイクロ波を共鳴させ、電子にエネルギーを効率よく与えて作る高密度のプラズマです。2.45GHzのマイクロ波では約875ガウスの磁場で共鳴します。低い圧力で高密度にできるため異方性のエッチングに向き、日立ハイテクのエッチング装置などで使われています。

定義・解説

ECRプラズマ(Electron Cyclotron Resonance Plasma:電子サイクロトロン共鳴プラズマ)とは、磁場の中で電子が回転する周期と、外から加えるマイクロ波の周期を一致(共鳴)させ、電子にマイクロ波のエネルギーを効率よく与えて作る高密度のプラズマです。電子は磁場の中で磁力線の周りを決まった周波数(サイクロトロン周波数)で回転しており、一般に使われる2.45GHzのマイクロ波では、磁場の強さが約875ガウスのところで共鳴が起こります。

ECRプラズマの特長は、低い圧力でも高密度のプラズマを作れることです。共鳴によって電子が効率よく加速されるため、ガスが薄い(圧力が低い)条件でもガスを電離でき、イオンの密度が高くなります。圧力が低いとイオンが途中でガスとぶつかりにくく、まっすぐウェハに届くため、側壁が垂直な異方性のエッチングに向いています。また、プラズマを作るマイクロ波と、ウェハに当てるイオンのエネルギーを決めるウェハ側の高周波の電圧を別々に制御できるため、エッチングの速さとダメージを独立に調整できます。

ECRプラズマは、日本で実用化が進んだ技術で、日立ハイテクのマイクロ波ECR方式のエッチング装置は、ゲートやメタルなどの導体のエッチングに使われてきました。成膜では、低温で緻密な膜を作るECR-CVDにも応用されます。同じく高密度のプラズマを作る方式に、コイルの誘導電界を使うICP(誘導結合プラズマ)があり、平行平板の電極で作るCCP(容量結合プラズマ)とあわせて、エッチング装置のプラズマの代表的な方式として比較されます。

よくある質問(FAQ)

ECRプラズマの共鳴条件は何ですか?▾
磁場の中で電子が磁力線の周りを回転する周波数(サイクロトロン周波数)が、外から加えるマイクロ波の周波数と一致することです。広く使われる2.45GHzのマイクロ波では、磁場の強さが約875ガウスのところで共鳴が起き、電子が効率よくエネルギーを受け取ります。
ECRとICPの違いは何ですか?▾
どちらも低い圧力で高密度のプラズマを作れる方式ですが、ECRは磁場とマイクロ波の共鳴を使い、ICPはコイルに流す高周波の電流が作る誘導電界でプラズマを作ります。ICPは磁場の装置が要らず構造が比較的簡単なため広く普及し、ECRは日立ハイテクの装置などで使われています。

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