ガリウム・ゲルマニウム輸出規制とは、中国政府が2023年に導入した、ガリウムとゲルマニウムおよびその化合物の輸出を許可制にする措置と、その後の強化を指します。中国商務省は2023年7月に規制を発表し、同年8月1日から輸出に許可が必要になりました。2024年12月には、米国向けのガリウム・ゲルマニウムなどの輸出を原則として禁止する措置も発表しています。
ガリウムは、化合物半導体のGaAs(ヒ化ガリウム)やGaN(窒化ガリウム)の原料で、スマートフォンの高周波部品、LED、パワー半導体、レーダーなどに欠かせません。ゲルマニウムは、光ファイバー、赤外線の光学部品、SiGeの高速トランジスタ、太陽電池(宇宙用)などに使われます。どちらも、アルミニウムや亜鉛を精錬するときの副産物として回収されることが多く、世界の一次生産の大半を中国が占めています。
この規制は、米国などによる先端半導体の輸出規制に対する対抗措置と受け止められました。規制の発表後、中国以外の地域で価格が上昇し、各国は在庫の確保、リサイクル、中国以外での生産の再開や新設を進めています。日本でも重要鉱物の安定供給は経済安全保障の課題とされ、調達先の多様化(セカンドソースの確保)が求められています。