最終更新 2026-10-19

ダブルパルス試験とは

Double Pulse Test

ダブルパルス試験とは、パワー半導体のスイッチング特性を、インダクタを負荷にした回路に2つのゲートパルスを与えて測る標準的な方法です。1つ目のパルスで電流をため、その終わりでターンオフ、2つ目のパルスの始まりでターンオンとダイオードの逆回復を測ります。電圧と電流の波形からスイッチング損失を求めます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ダブルパルス試験とは、パワー半導体のスイッチングの特性(ターンオンとターンオフの速さ、損失、逆回復など)を、実際のインバーターに近い条件で測るための標準的な試験方法です。被試験デバイスとインダクタ(コイル)、還流ダイオードを組み合わせた簡単な回路に、ゲート信号として2つのパルスを続けて与えることから、この名前がついています。

1つ目のパルスでデバイスをオンにすると、インダクタに電流がたまっていきます。パルスの長さで、測りたい電流の大きさに合わせます。1つ目のパルスを切った瞬間がターンオフの測定点で、電流はダイオードを通って流れ続けます。短い間隔をおいて2つ目のパルスでもう一度オンにすると、その瞬間がターンオンの測定点になり、同時にダイオードの逆回復も観測できます。電流がほぼ一定のまま、オフとオンを1回ずつ測れるのが特長です。

測った電圧と電流の波形をかけ合わせて積分すると、1回あたりのスイッチング損失(ターンオン損失Eon、ターンオフ損失Eoff)が求まります。SiCやGaNのように数十ns以下で切り替わる高速なデバイスでは、配線の寄生インダクタンスや、電流と電圧のプローブのタイミングのずれが結果を大きく左右するため、測定系の作り込みが重要です。ゲートドライバや抵抗の値を変えながら測り、損失とノイズのバランスを決めるのにも使われます。

図解

1つ目のパルスで電流をため、ターンオフ、休止、2つ目のパルスでターンオンを測るダブルパルス試験の手順
損失は電圧×電流の波形を、スイッチングの区間で積分して求める。

よくある質問(FAQ)

なぜパルスを2回与えるのですか?
1回目のパルスでインダクタに測りたい大きさの電流をためるためです。1回目の終わりでターンオフを、2回目の始まりでターンオンを測るので、ほぼ同じ電流でオフとオンを1回ずつ観測できます。連続運転と違ってデバイスがほとんど発熱しないため、温度の条件も管理しやすくなります。
ダブルパルス試験でSiCを測るときの注意点は?
SiCは数十ns以下で切り替わるため、回路の配線が持つわずかなインダクタンスでも大きな電圧の跳ね上がりが起き、波形が変わります。配線を短くして寄生インダクタンスを減らすこと、帯域の広いプローブを使うこと、電圧と電流のプローブの遅延をそろえることが重要です。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. テクトロニクス「ダブル・パルス試験」(2026/10/19 確認)