ダブルパルス試験とは、パワー半導体のスイッチングの特性(ターンオンとターンオフの速さ、損失、逆回復など)を、実際のインバーターに近い条件で測るための標準的な試験方法です。被試験デバイスとインダクタ(コイル)、還流ダイオードを組み合わせた簡単な回路に、ゲート信号として2つのパルスを続けて与えることから、この名前がついています。
1つ目のパルスでデバイスをオンにすると、インダクタに電流がたまっていきます。パルスの長さで、測りたい電流の大きさに合わせます。1つ目のパルスを切った瞬間がターンオフの測定点で、電流はダイオードを通って流れ続けます。短い間隔をおいて2つ目のパルスでもう一度オンにすると、その瞬間がターンオンの測定点になり、同時にダイオードの逆回復も観測できます。電流がほぼ一定のまま、オフとオンを1回ずつ測れるのが特長です。
測った電圧と電流の波形をかけ合わせて積分すると、1回あたりのスイッチング損失(ターンオン損失Eon、ターンオフ損失Eoff)が求まります。SiCやGaNのように数十ns以下で切り替わる高速なデバイスでは、配線の寄生インダクタンスや、電流と電圧のプローブのタイミングのずれが結果を大きく左右するため、測定系の作り込みが重要です。ゲートドライバや抵抗の値を変えながら測り、損失とノイズのバランスを決めるのにも使われます。