粒度分布(Particle Size Distribution)とは、粉体や液体に分散した粒子の集まりについて、どの大きさの粒子がどれだけの割合で含まれているかを表したものです。粒子の大きさはふつう1つにそろっておらず幅を持つため、平均の大きさだけでなく、分布の広がりや、ごくわずかに含まれる大きな粒子まで把握することが重要です。
粒度分布は、小さいほうから数えて累積で10%、50%、90%になる粒子の大きさ(D10・D50・D90)で表すことが多く、D50はメジアン径と呼ばれ、平均的な粒子の大きさの代表値として使われます。分布を個数で数えるか、体積(重さ)で数えるかによって値が大きく変わり、大きな粒子は個数が少なくても体積では大きな割合を占めます。測定には、レーザー光の回折・散乱のパターンから求めるレーザー回折法、液中の粒子の動き(ブラウン運動)による光の揺らぎから求める動的光散乱法(ナノ粒子向け)、粒子を1個ずつ数える方法などが使われます。
半導体では、CMPのスラリーの砥粒の粒度分布が特に重要です。平均の粒径は研磨の速さを、分布の広がりは仕上がりの均一さを左右し、ごくわずかに混じる大きな粒子や凝集した塊(ラージパーティクル)は、ウェハに深い傷(スクラッチ)を付ける原因になります。そのため、平均の値に加えて、一定の大きさ以上の粒子の数を厳しく管理し、使用の直前にフィルタで取り除きます。封止樹脂に混ぜるシリカのフィラーでも、大きさの異なる粒子を組み合わせて隙間なく詰め、熱膨張を小さくするために粒度分布が設計されます。