コロイダルシリカ(Colloidal Silica)とは、直径数nmから100nm程度の二酸化ケイ素(シリカ:SiO₂)の微粒子が、水などの液体に沈まずに均一に分散した液体(コロイド)のことです。粒子の表面が電荷を帯びて互いに反発し合うため、長期間凝集せずに分散した状態を保ちます。半導体では、CMP(化学機械研磨)のスラリーの砥粒と、シリコンウェハの仕上げ研磨の研磨剤として欠かせない材料です。
コロイダルシリカの作り方は主に2つあります。1つはケイ酸ナトリウム(水ガラス)からナトリウムをイオン交換で除いて粒子を成長させる方法で、安価ですが金属不純物が残りやすい特徴があります。もう1つはテトラエトキシシランなどのアルコキシシランを加水分解して粒子を作る方法で、金属不純物が極めて少なく、粒子の大きさや形を精密にそろえられるため、半導体の先端工程向けの高純度品に使われます。同じシリカの砥粒でも、高温の炎の中で作るフュームドシリカは、一次粒子が鎖状につながった凝集体なのに対し、コロイダルシリカは丸く独立した粒子が特徴です。
丸く粒の大きさがそろったコロイダルシリカは、研磨面にスクラッチ(傷)を付けにくいことが最大の利点です。シリコンウェハの最終研磨では、アルカリ性のコロイダルシリカで原子レベルに近い平滑な鏡面に仕上げます。デバイス工程のCMPでは、酸化膜や銅・バリアメタル・タングステンの研磨に使われ、粒子の大きさ・濃度・形(真球か異形か)を変えて研磨速度と欠陥のバランスを調整します。粒子の凝集や乾燥した固まりはスクラッチの原因になるため、スラリーの供給系ではフィルタで粗大粒子を除きます。