PSL標準粒子(Polystyrene Latex Standard Particles)とは、ポリスチレンの樹脂でできた、大きさが非常によくそろった真球状の微粒子のことです。直径が数十nmから数μmまでの多くのサイズが作られ、粒子の大きさの基準(物差し)として使われます。半導体では、ウェハ表面のパーティクル(異物)を数える検査装置の感度と大きさの校正に欠かせない材料です。
ウェハの表面検査装置は、ウェハにレーザー光を当て、異物で散乱した光の強さから異物の有無と大きさを判定します。しかし散乱光の強さは、異物の材質や形によって変わるため、装置は「同じ強さの光を散乱するPSL粒子なら何nmか」という基準で大きさを表示します。これをPSL換算サイズ(LSE:Latex Sphere Equivalent)と呼びます。装置を校正するときは、決まった大きさのPSL粒子を何も付いていないウェハの上にまいた校正用ウェハ(標準ウェハ)を測り、検出の感度や大きさの判定が正しいかを確かめます。
校正用ウェハは、PSL粒子を含む液を霧状にして大きさで選別しながらウェハに吹き付ける、専用の粒子付着装置で作られます。粒子をウェハ上の決まった位置に、決まった数だけ付けることで、装置の場所ごとの感度のばらつきも評価できます。検出すべき異物が微細になるにつれ、より小さく大きさのそろったPSL粒子と、ウェハ表面の粗さ(ヘイズ)の少ない基板が求められています。PSL粒子は、クリーンルームの空気中の微粒子を数えるパーティクルカウンタや、フィルタの性能試験の校正にも使われます。