ランアウトとは、リソグラフィの重ね合わせ(オーバーレイ)で、ウェハの中心から外側に向かうほど、前の層と今の層のパターンのずれが比例して大きくなる誤差です。ウェハ全体が、前の層を露光したときより伸びたり縮んだりしたように見える状態で、ウェハ倍率誤差やスケーリング誤差とも呼ばれます。
原因は、前の層を露光した後の工程でウェハそのものの寸法が変わることです。高温の熱処理や、強い応力を持つ膜を付けたことによるウェハの伸び縮み、露光するときのウェハの温度の違い、異なる露光装置の間の基準のわずかな差などが原因になります。ウェハの中心付近ではずれは小さくても、300mmウェハの外周では大きなずれになるのが特徴です。
ランアウトはウェハ全体にわたって規則的な(線形の)誤差なので、露光の前にウェハ上の複数のアライメントマークの位置を測り、その結果からウェハの伸び縮みを計算して露光の位置を補正(スケーリング補正)できます。補正しきれない不規則な成分は、より多くの点を測って高い次数の補正を行ったり、オーバーレイの計測結果を次のロットに反映するAPCで追い込んだりします。なお機械の分野では、回転軸の振れのこともランアウトと呼びます。