最終更新 2026-10-19

エリプソメトリとは(分光エリプソメトリ)

Ellipsometry

エリプソメトリとは、偏光した光を薄い膜に当て、反射した光の偏光の変わり方から膜の厚さや屈折率を求める測定方法です。ウェハに触れずにナノメートル以下の精度で測れ、半導体の膜厚計測で最も広く使われます。測った値を膜の構造のモデルで計算した値と合わせ込んで、膜厚を求めます。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

エリプソメトリとは、偏光した光を薄い膜に当て、反射した光の偏光の状態がどう変わったかを測ることで、膜の厚さや屈折率などの光学的な性質を求める測定方法です。偏光が楕円(エリプス)の形に変わる様子を調べることから、この名前がついています。ウェハに触れずに、ナノメートル以下の精度で膜厚を測れるため、半導体の膜厚計測で最も広く使われる方法の1つです。

測定では、光の2つの偏光の成分(p偏光とs偏光)の反射の強さの比(Ψ)と位相の差(Δ)を測ります。この2つの値は、膜の厚さと屈折率、下の膜や基板の性質で決まります。ただし、測った値から直接膜厚が分かるわけではなく、膜の構造と材料の光学定数を仮定したモデルで計算した値と測定値を合わせ込み、膜厚を求めます。波長を変えながら測る分光エリプソメトリでは、多層の膜でもそれぞれの厚さを同時に求められます。

数nmのゲート酸化膜やHigh-k膜、レジスト、窒化膜などの膜厚を、量産ラインで毎日測るインラインの計測に使われます。モデルの作り方が結果を左右するため、新しい材料や複雑な多層構造では、TEMなどの断面観察の結果と照らし合わせてモデルを確かめます。同じ偏光の測定の考え方を、周期的なパターンの形の計測に広げたものがOCD(光学的寸法計測)です。

図解

偏光した光の照射、反射光のΨとΔの測定、モデル計算、合わせ込みによって膜厚を求める流れ
分光エリプソメトリでは波長ごとのΨとΔを使って多層膜を解析する。

紛らわしい言葉の切り分け

エリプソメトリと蛍光X線(XRF)。違いは膜厚を何から求めるかです。エリプソメトリは偏光した光の反射の変化から、透明な絶縁膜やレジストの膜厚と屈折率を求めます。蛍光X線(XRF)はX線で元素から出る蛍光X線の強さから、主に金属膜の膜厚や組成を求めます。光を通さない厚い金属膜はXRFが得意です。 比較記事 →

よくある質問(FAQ)

エリプソメトリと反射率分光法の違いは何ですか?
反射率分光法は、反射した光の強さ(反射率)が波長によってどう変わるかから膜厚を求めます。エリプソメトリは、強さに加えて偏光の位相の変化も測るため、ごく薄い膜でも感度が高く、膜厚と屈折率を分けて求めやすいのが特長です。厚い膜を速く測るなら反射率分光法も使われます。
エリプソメトリでなぜモデルが必要なのですか?
測定で得られるのは偏光の比Ψと位相差Δで、膜厚そのものではないからです。膜の層の構成と各層の材料の光学定数を仮定してΨとΔを計算し、測定値に最も合う膜厚を探します。仮定が実際と違うと結果もずれるため、モデルの正しさの確認が重要です。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 日本画像学会「分光エリプソメトリー:基礎から応用まで(日本画像学会誌 50巻5号)」(2026/10/19 確認)
  2. 日本分光「膜厚計測、厚さに適した測定、解析方法」(2026/10/19 確認)