エリプソメトリとは、偏光した光を薄い膜に当て、反射した光の偏光の状態がどう変わったかを測ることで、膜の厚さや屈折率などの光学的な性質を求める測定方法です。偏光が楕円(エリプス)の形に変わる様子を調べることから、この名前がついています。ウェハに触れずに、ナノメートル以下の精度で膜厚を測れるため、半導体の膜厚計測で最も広く使われる方法の1つです。
測定では、光の2つの偏光の成分(p偏光とs偏光)の反射の強さの比(Ψ)と位相の差(Δ)を測ります。この2つの値は、膜の厚さと屈折率、下の膜や基板の性質で決まります。ただし、測った値から直接膜厚が分かるわけではなく、膜の構造と材料の光学定数を仮定したモデルで計算した値と測定値を合わせ込み、膜厚を求めます。波長を変えながら測る分光エリプソメトリでは、多層の膜でもそれぞれの厚さを同時に求められます。
数nmのゲート酸化膜やHigh-k膜、レジスト、窒化膜などの膜厚を、量産ラインで毎日測るインラインの計測に使われます。モデルの作り方が結果を左右するため、新しい材料や複雑な多層構造では、TEMなどの断面観察の結果と照らし合わせてモデルを確かめます。同じ偏光の測定の考え方を、周期的なパターンの形の計測に広げたものがOCD(光学的寸法計測)です。