用語ウェット洗浄装置エッチング装置最終更新 2026-10-10出典 1件Excel・PDF版

BHF(バッファードフッ酸)とは

Buffered Hydrofluoric Acid

BHF(バッファードフッ酸)とは、フッ酸にフッ化アンモニウムを加えた混合液で、シリコン酸化膜のウェットエッチングに使われます。フッ化アンモニウムが緩衝剤として働くため、希フッ酸より長時間エッチングの速さが安定し、レジストも剥がれにくいのが特徴です。シリコンや窒化膜をほとんど溶かさず、酸化膜を選択的に除けます。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

BHF(Buffered Hydrofluoric Acid:バッファードフッ酸、緩衝フッ酸)とは、フッ酸(HF)にフッ化アンモニウム(NH₄F)を加えた混合液で、シリコン酸化膜(SiO₂)のウェットエッチングに使われる薬液です。BOE(Buffered Oxide Etch)とも呼ばれます。フッ化アンモニウムが緩衝剤(バッファ)として働き、液の酸性度とエッチングに効くフッ素の成分の濃度を一定に保つため、エッチングの速さが安定するのが特徴です。

フッ酸だけを薄めた希フッ酸(DHF)では、酸化膜を溶かすにつれてフッ素の成分が消費され、エッチングの速さが変わってしまいます。BHFはフッ化アンモニウムが消費された分を補うため、長時間・多数のウェハを処理しても速さがほぼ一定に保たれ、厚い酸化膜を決まった量だけ削る加工に向いています。また、液の酸性が穏やかになるため、マスクとして使うフォトレジストが剥がれにくいという利点もあります。フッ化アンモニウムとフッ酸の混合比は、6対1や10対1などの組成がよく使われ、比率と温度でエッチングの速さが変わります。

BHFは酸化膜をよく溶かす一方、シリコンはほとんど溶かさず、窒化シリコン膜もゆっくりとしか溶かさないため、下地を残して酸化膜だけを除く選択的なエッチングができます。コンタクトホールの開口、MEMSの犠牲層の除去、化合物半導体のデバイスの加工など、ドライエッチングでは下地を傷めやすい場面で使われます。低温ではフッ化アンモニウムの結晶が析出しやすいため温度を管理し、細かなパターンに液がなじむよう界面活性剤を加えた製品もあります。

図解

BHF(バッファードフッ酸)とDHF(希フッ酸)の比較
どちらもシリコンや窒化膜はほとんど溶かさず、酸化膜を選んで除ける。

紛らわしい言葉の切り分け

DHFとBHF。どちらも酸化膜を溶かすフッ酸系の薬液です。DHFはフッ酸を水で薄めた液で、主に自然酸化膜を取る洗浄に使います。BHFはフッ化アンモニウムを加えた緩衝液で、エッチングの速さが安定するため、厚い酸化膜を決まった量だけ削るパターン加工に使います。 比較記事 →

よくある質問(FAQ)

BHFとDHFの違いは何ですか?
DHF(希フッ酸)はフッ酸を水で薄めた液で、主に洗浄で自然酸化膜を除くのに使います。BHFはフッ酸にフッ化アンモニウムを加えた液で、緩衝作用によりエッチングの速さが長く一定に保たれるため、厚い酸化膜を決まった量だけ削る加工に向いています。
BHFでシリコンや窒化膜は溶けますか?
シリコンはほとんど溶けず、窒化シリコン膜も酸化膜よりずっとゆっくりとしか溶けません。そのため、下地のシリコンや窒化膜を残したまま酸化膜だけを除く、選択性の高いエッチングができます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. ステラ ケミファ「超高純度バッファードフッ酸(BHF、LL BHF、LAL BHF)」(2026/10/10 確認)