最終更新 2026-10-10

HSQとは(水素シルセスキオキサン)

Hydrogen Silsesquioxane

HSQ(水素シルセスキオキサン)とは、ケイ素・酸素・水素からなる無機系の材料で、電子線リソグラフィで10nm以下の非常に細い線を作れるネガ型のレジストです。露光後は酸化シリコンに近い膜になり、そのままマスクにも使えます。感度が低く描画に時間がかかるため、研究開発やナノインプリントの型づくりで使われます。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

HSQ(Hydrogen Silsesquioxane:水素シルセスキオキサン)とは、ケイ素・酸素・水素からなるかご状の分子の無機系材料で、電子線リソグラフィで最も細かいパターンを作れるレジストの1つとして知られています。電子線が当たった部分の分子どうしがつながって固まり、現像液に溶けなくなるネガ型のレジストです。

HSQの特徴は、10nm以下の非常に細い線を、線の縁の荒れ(ラフネス)が小さく作れることです。分子が小さく、化学増幅型のレジストのように酸が広がる過程がないため、解像度が高くなります。現像にはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)の水溶液を使います。露光後のHSQは酸化シリコンに近い膜になるため、そのままエッチングのマスクや、絶縁膜として使うこともできます。

弱点は、感度が低く、パターンを作るのに多くの電子線の量が必要で、描画に時間がかかることと、塗布した後の保存中に性質が変わりやすいことです。そのため量産のリソグラフィではなく、研究開発での極微細なパターンの試作や、ナノインプリント用の型(テンプレート)、フォトニクスの微細構造の作製に使われています。もともとは、塗布して作る低誘電率の絶縁膜の材料として開発されました。

図解

電子線レジストHSQの解像度・膜の性質・感度・保存性
現像にはTMAHの水溶液を使うネガ型レジスト。

よくある質問(FAQ)

HSQはなぜ細かいパターンを作れるのですか?
分子が小さく、化学増幅型のレジストのように露光で生じた酸が周りに広がる過程がないため、電子線が当たった場所だけが正確に固まるからです。そのため線の縁の荒れも小さく、10nm以下の線を作れます。
HSQが量産に使われないのはなぜですか?
感度が低く、パターンを作るのに大量の電子線を当てる必要があり、描画に非常に時間がかかるからです。また塗布後の保存中に性質が変わりやすく、安定した量産には向きません。研究開発や型づくりなど、枚数の少ない用途で使われます。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. 精密工学会「ネガ型電子ビームレジスト(HSQ)の電子ビーム露光特性」(2026/10/10 確認)