最終更新 2026-10-19

メタルオキサイドレジストとは(MOR)

Metal Oxide Resist (MOR)

メタルオキサイドレジスト(MOR)とは、スズなどの金属の酸化物を主成分とする、EUV露光向けの新しいフォトレジストです。従来の有機のレジストよりEUVの光をよく吸収し、薄い膜でも光を効率よく使えるため、光子の数のばらつきによる欠陥を抑えやすくなります。エッチングにも強く、高NA EUVの世代で期待されています。

目次8項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. 紛らわしい言葉の切り分け
  4. よくある質問
  5. 設備の製造メーカー
  6. 関連用語
  7. 比較・違いを学ぶ
  8. 出典・参考資料

定義・解説

メタルオキサイドレジスト(MOR:Metal Oxide Resist)とは、スズなどの金属の酸化物を主成分とする、EUV露光向けの新しいタイプのフォトレジストです。金属と酸素が数nmの小さな塊(クラスター)を作り、その周りを有機の分子が囲んだ構造をしています。EUVの光が当たると有機の部分が外れて金属の酸化物どうしがつながり、現像液に溶けにくくなります。多くはネガ型として使われます。

最大の利点は、EUVの光をよく吸収することです。EUVの光(13.5nm)は、炭素や水素などでできた従来の有機のレジストにはあまり吸収されず、1つ1つの光子のエネルギーは大きい代わりに数が少ないため、光子の数のばらつきがパターンの粗さや欠陥(確率論的効果)につながります。スズなどの金属はEUVの吸収が大きく、薄い膜でも光を効率よく使えます。また、金属の酸化物はエッチングに強いため、膜を薄くしても下の膜を加工でき、パターンの倒れも防ぎやすくなります。

代表的な開発企業は、JSRが2021年に買収した米国のInpriaで、液体を回転塗布する方式です。これとは別に、Lam Researchはガスの原料から気相で膜を付け、現像も気相で行うドライレジストを開発しています。高NA EUVの世代では焦点の合う範囲が浅く、レジストを薄くする必要があるため、金属系のレジストへの期待はさらに高まっています。装置や工場に金属を持ち込むため、汚染の管理も課題です。

図解

化学増幅型レジストとメタルオキサイドレジストを、主成分・EUV吸収・反応の仕組み・エッチング耐性・型で比較した表
どちらも改良が続いており、用途やパターンによって使い分けが検討されている。

紛らわしい言葉の切り分け

化学増幅型レジストとメタルオキサイドレジスト。違いは主成分と反応の仕組みです。化学増幅型は有機の樹脂で、光で生じた酸が触媒となって反応を広げます。メタルオキサイドレジストはスズなどの金属酸化物で、EUVの光をよく吸収し、酸の拡散によるぼやけがなく、エッチングにも強いため、EUVの微細なパターンで期待されています。 比較記事 →

よくある質問(FAQ)

メタルオキサイドレジストと化学増幅型レジストの違いは何ですか?
化学増幅型レジストは有機の樹脂でできており、光で生じた酸が触媒となって反応を広げます。メタルオキサイドレジストは金属の酸化物の小さな塊でできており、EUVの光で直接結合が変化します。金属のほうがEUVの吸収が大きく、酸の拡散によるぼやけがないため、微細なパターンで有利とされます。
ドライレジストとは何ですか?
液体を回転塗布するのではなく、ガスの原料から真空の装置の中で気相で膜を付け、現像も気相で行うレジストです。Lam Researchが開発しており、膜の厚さを均一に薄くしやすく、現像液を使わないため液体の表面張力によるパターンの倒れが起こりにくいとされます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. The Society of Photopolymer Science and Technology「EUV Metal Oxide Resist Development Technology for Improved Sensitivity, Roughness and Pattern Collapse Margin for High Volume Manufacturing(Journal of Photopolymer Science and Technology 35巻1号)」(2026/10/19 確認)
  2. imec「Removing PFAS from semiconductor manufacturing, from resists to rinses」(2026/10/19 確認)