フィデューシャルマーク(Fiducial Mark)とは、装置のカメラなどが位置を正確に認識するために、基板・ウェハ・マスクなどに付けておく基準の目印のことです。英語のfiducialは「基準となる」という意味で、認識マーク、基準マークとも呼ばれます。十字や円、四角などの単純な形で作られ、周囲とのコントラストがはっきりして画像で認識しやすいように設計されます。
実装の分野では、プリント基板に部品を自動で搭載するマウンターが、基板の角などに置いたフィデューシャルマークを読み取り、基板の位置・回転・伸び縮みを補正してから部品を載せます。半導体の後工程でも、ダイシング装置がウェハ上のマークで切断の位置を決め、ダイボンダーやフリップチップボンダーがチップと基板のマークを認識して位置を合わせ、ウェハプローバーがマークを使ってプローブ針とパッドの位置を合わせます。微細なバンプのピッチが狭くなるほど、マークの認識の精度が組立の品質を左右します。
フォトマスクの分野では、マスクブランクスに付けたフィデューシャルマークが重要な役割を持ちます。EUV用のマスクブランクスには、多層膜の中に除去できない微小な欠陥が残ることがあるため、ブランクスの段階でフィデューシャルマークを基準に欠陥の位置を記録しておき、回路パターンを描くときに欠陥が吸収体の下に隠れるよう配置をずらすといった対策がとられます。露光でパターンの層どうしを重ねるために作るアライメントマークも、広い意味では同じ役割の目印です。