最終更新 2026-10-19

ウィスカとは(錫ウィスカ)

Tin Whisker

ウィスカ(錫ウィスカ)とは、電子部品の端子の錫めっきの表面から、細い針状の結晶が時間をかけて自然に伸びてくる現象で、隣の端子に触れてショートを起こします。めっきの膜にたまる圧縮応力が主な原因です。鉛を使わなくなったことで再び問題になり、つや消しの錫めっきやニッケルの下地で対策しています。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

ウィスカ(錫ウィスカ)とは、電子部品の端子などにめっきした錫(すず)の表面から、ひげ(ウィスカ)のように細い針状の結晶が、時間をかけて自然に伸びてくる現象、またはその結晶のことです。太さは数μm程度ですが、長さは数百μmからmm単位まで伸びることがあり、隣の端子に触れると電気的なショート(短絡)を起こします。

ウィスカが伸びる主な原因は、錫のめっきの膜の中にたまる押し縮める力(圧縮応力)です。たとえば銅の端子に錫をめっきすると、銅と錫が境目で反応して金属間化合物ができ、その体積の膨張で錫の膜が押されます。逃げ場を失った錫の原子が、膜の弱い場所から外へ押し出されるように結晶が伸びます。温度の上下の繰り返し、外からの機械的な圧力、湿気と腐食も、ウィスカの発生を促します。

かつては、錫に鉛を混ぜたはんだやめっきを使うことで、ウィスカはほとんど抑えられていました。しかし、環境規制(RoHS指令など)で鉛を使わなくなったことで、純粋な錫のめっきが増え、再び大きな問題になりました。対策として、粒の粗いつや消しの錫めっきを使う、銅との間にニッケルの層を入れて反応を防ぐ、めっきの後に熱処理をして応力を和らげる、といった方法がとられています。JEDECなどに、ウィスカの試験と許容の基準が定められています。

図解

銅への錫めっき、金属間化合物の生成、錫の膜の圧縮応力、針状の結晶の成長までの錫ウィスカの流れ
伸びる速さは数か月から数年と、条件によって大きく異なる。

よくある質問(FAQ)

なぜ鉛フリー化でウィスカが問題になったのですか?
錫に鉛を混ぜると、錫の結晶の性質が変わり、応力がたまりにくくなるため、ウィスカはほとんど発生しませんでした。環境規制で鉛を使えなくなり、純粋な錫や錫を主成分とする材料のめっきが増えたため、再びウィスカが発生しやすくなりました。
ウィスカはどのように防ぎますか?
主な方法は、粒の粗いつや消しの錫めっきを使う、銅の端子と錫の間にニッケルの層を入れて金属間化合物の成長を抑える、めっきの後に熱処理をして膜の応力を和らげる、錫にビスマスなどを少し加える、といったものです。用途に応じて、試験で発生しにくいことを確かめます。

設備の製造メーカー

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出典・参考資料

  1. JEDEC「whisker」(2026/10/19 確認)