単結晶成長エンジニア(シリコン・SiC)
この職種は何をするのか
単結晶成長エンジニアは、すべての半導体の出発点であるウェハの元になる単結晶インゴットを育てる職種です。シリコンでは溶かしたシリコンに種結晶を浸して回転させながら引き上げるCZ法が主流で、直径300mm・長さ2m近いインゴットを数日かけて成長させます。結晶中の酸素濃度や微小欠陥はデバイスの特性と歩留まりに影響するため、引き上げ条件の精密な制御が求められます。SiCでは昇華法による結晶成長が課題の中心です。
仕事内容
引き上げ条件の設計
引き上げ速度・回転数・ヒーター出力・磁場の条件を設計し、直径と抵抗率が全長で均一なインゴットを作ります。融液の対流の制御が品質を左右します。
結晶欠陥と酸素濃度の制御
COPなどのグローンイン欠陥や格子間酸素の濃度を、引き上げ速度と温度勾配の比で作り分けます。顧客ごとに求める欠陥・酸素の仕様が異なります。
スライス・研磨工程との連携
インゴットはワイヤーソーで切断され、研磨されてウェハになります。平坦度や反りなど最終品質から逆算して、結晶側に求める条件を決めます。
SiC・化合物の結晶成長
SiCは溶融できないため、2000℃以上で原料を昇華させて種結晶上に成長させます。マイクロパイプや基底面転位といった欠陥を減らすことが、パワー半導体のコストを下げる鍵です。
担当する工程・装置
必要になる知識・用語
主な企業
関連する技術比較
よくある質問
どんな会社で働けますか?
信越化学工業(信越半導体)やSUMCOなどのシリコンウェハメーカー、SiC基板メーカー、結晶成長炉のメーカーが主な就職先です。シリコンウェハでは日本の2社が世界シェアの過半を持っています。
必要な知識は?
結晶成長の物理、熱と流体の伝わり方、結晶欠陥の理論が基礎になります。実際の引き上げでは数値シミュレーションで炉内の温度分布を予測することが多く、伝熱・流体解析の力も役立ちます。
SiCで結晶成長が難しいのはなぜですか?
シリコンのように融かして引き上げられず、高温の昇華で少しずつ成長させるため成長速度が遅く、欠陥も入りやすいからです。基板の品質とコストがSiCパワーデバイス普及の課題になっています。