プローブ痕(スクラブマーク)とは、ウェハテストでプローブカードの針(プローブ)をチップの電極パッドに押し当てたときに、パッドの表面に残る引っかき傷のような跡です。プローブはパッドの表面にある薄い酸化膜を削って、下の金属と確実に電気的に接触させるため、押し当てるときに少し横に滑らせます(スクラブ)。そのためパッドには必ず小さな跡が残ります。
プローブ痕は小さすぎても大きすぎても問題になります。小さすぎると酸化膜を十分に削れず、接触抵抗が高くなって正しく測れません。大きすぎたり深すぎたりすると、パッドの金属がめくれて、後工程のワイヤボンディングでボールがうまく付かなくなったり、パッドの下の絶縁膜や回路にひびが入ったりします。痕がパッドの端からはみ出すと、保護膜を傷つけて信頼性の不良につながります。
そのため、ウェハテストの後には、プローブ痕の位置・大きさ・深さを光学的に検査し、規格に入っているかを管理します。痕の位置がずれていれば、プローバの位置合わせやプローブカードの針先の状態に問題があると分かります。パッドの小型化や、銅ピラーやマイクロバンプのような壊れやすい電極が増えたことで、針の押し付ける力を小さくし、痕を小さく抑える技術が重要になっています。