半導体の設備投資(CapEx:Capital Expenditure)とは、半導体メーカーが工場の建屋や製造装置、クリーンルームなどの設備に投じる資金のことです。半導体の製造は装置の価格が非常に高く、最先端のEUV露光装置は1台で数百億円規模、最先端の工場1棟の建設には数兆円規模の投資が必要になります。そのため、設備投資は半導体業界の動向を示す最も重要な指標の1つです。
設備投資のうち、大部分は製造装置の購入に充てられます。そのため、TSMCやSamsung、Intelなどの大手メーカーが決算で発表する設備投資の計画は、装置メーカーの受注や売上の先行きを読む材料になります。売上高に対する設備投資の比率(設備投資比率)は、業界全体ではおおむね2割前後から3割程度とされ、景気の波や技術の転換点で大きく変わります。
半導体の設備投資は、需要が伸びると一斉に増え、工場が立ち上がって供給が増えると市況が悪化して絞られる、という波を繰り返してきました(シリコンサイクル)。近年は、AI向けの需要や、各国の補助金による工場誘致(米国のCHIPS法、日本の経済安全保障の政策など)が投資を押し上げています。設備投資の発表から量産の開始までは1〜2年以上かかるため、需要の読み違いは供給過剰や不足につながります。