アパーチャ(Aperture)とは、光や電子線・イオンビームの通り道に置いて、通過する範囲や角度を制限する開口(穴)、またはその穴を持つ部品のことです。日本語では「絞り」や「開口」と呼ばれ、カメラのレンズの絞りと同じ役割を持ちます。半導体製造装置では、露光装置、電子顕微鏡(SEM)や電子線描画装置、イオン注入装置など、ビームを扱う多くの装置に組み込まれています。
電子線を使う装置では、アパーチャはビームの性能を決める重要な部品です。SEMの対物絞りは、直径数十μm程度の穴で電子線の広がる角度を制限し、レンズの収差による像のぼけを抑えて解像度と焦点深度を調整します。電子線描画装置では、四角や文字形の穴を持つアパーチャを通して電子線を成形し、複数の図形を一度に描くことで描画速度を上げます。アパーチャは電子線が当たり続けるため汚れや帯電が生じ、ビームの位置ずれや像の劣化の原因になることから、定期的に交換・清掃する消耗品としても扱われます。
露光装置では、照明系のアパーチャで光源の形(照明形状)を変えます。輪帯照明やダイポール照明、クアドラポール照明などに切り替えることで、パターンに応じて解像度と焦点深度を高めます。また投影レンズの開口数(NA)は、レンズの絞りによって決まります。イオン注入装置では、質量分析磁石を通ったビームのうち目的のイオンだけを通す分解スリット(アパーチャ)が、不要なイオンの混入を防ぎます。イメージセンサーでは、画素のうち光を受ける部分の割合を開口率(アパーチャ比)と呼びます。