用語露光装置材料最終更新 2026-10-07Excel・PDF版

膨潤とは

Swelling

膨潤(ぼうじゅん)とは、樹脂などの高分子が溶剤や水を吸い込み、溶けずに体積が膨らむ現象です。半導体では、かつてのネガ型レジストが現像液を吸って膨潤し、パターンがくっついたり蛇行したりしたことが知られ、膨潤しにくいノボラック系のポジ型レジストが主流になる理由になりました。CMPパッドや樹脂の吸湿でも現れます。

目次6項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ

定義・解説

膨潤(ぼうじゅん:Swelling)とは、樹脂などの高分子材料が溶剤や水などの液体を吸い込み、溶けずに体積が膨らむ現象です。高分子の鎖の間に液体の分子が入り込むことで起こり、ゼリーや乾燥した豆が水を吸って膨らむのも膨潤の例です。網目状に架橋した高分子は、液体を吸っても溶けずに膨らむだけになるため、膨潤が起こりやすくなります。

半導体では、フォトレジストの現像での膨潤が歴史的に重要です。かつて主流だった環化ゴム系のネガ型レジストは、露光で架橋して溶けなくなった部分も、有機溶剤の現像液を吸って膨潤しました。膨らんだパターンは隣どうしがくっついたり、蛇行したりして形が崩れ、微細なパターンが作れませんでした。これに対し、ノボラック樹脂を使うポジ型レジストは、アルカリ水溶液(TMAH)で現像しても膨潤がほとんど起きないため、解像度を高められ、1980年代以降の微細化の主流になりました。現在のネガ型レジストでも、現像液の選択や樹脂の設計で膨潤を抑える工夫がされています。

膨潤はほかの工程でも現れます。CMPの研磨パッドは水やスラリーを吸って膨潤し、硬さや形が変わるため、使い始めのならし(ブレークイン)や保管の条件で管理します。レジストの剥離では、剥離液でレジストを膨潤させてから除去することで、効率よく剥がします。多孔質の低誘電率膜やパッケージの樹脂は、水分を吸って膨潤すると、誘電率の上昇や応力の変化、剥離の原因になるため、吸湿を抑える処理や乾燥工程が取り入れられています。

図解

レジストの膨潤(ぼうじゅん)によるパターン崩れの流れ
解像度を上げるうえで、膨潤の少ない材料が選ばれてきた。

よくある質問(FAQ)

膨潤の読み方と意味は何ですか?
「ぼうじゅん」と読みます。樹脂などの高分子材料が溶剤や水を吸い込み、溶けずに体積が膨らむ現象です。網目状につながった高分子は液体を吸っても溶けないため、膨らむだけの膨潤が起こりやすくなります。
レジストの膨潤はなぜ問題になるのですか?
現像中にレジストのパターンが液を吸って膨らむと、隣のパターンとくっついたり、細い線が蛇行したりして、形が崩れるためです。かつて有機溶剤で現像していたネガ型レジストではこれが微細化の限界となり、膨潤しにくいポジ型レジストが主流になりました。

設備の製造メーカー

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