スピンコート(Spin Coating:回転塗布)とは、ウェハの中心に液体の材料を垂らし、ウェハを高速で回転させて遠心力で全面に広げ、薄く均一な膜を形成する方法です。半導体では、フォトレジストを塗る工程の標準的な方法で、反射防止膜、塗布型の絶縁膜(SOG)や下層膜(SOC)、ポリイミドなどの塗布にも使われます。真空の装置が要らず、短時間で均一な膜を作れるのが特徴です。
スピンコートは、おおむね4つの段階で進みます。(1)ノズルからウェハの中心に材料を吐出する、(2)回転で液を外周へ広げる、(3)高速の回転で余分な液を振り切り、膜を薄くする、(4)溶剤が蒸発して膜が固まっていく、という流れです。膜の厚さは主に回転数と液の粘度で決まり、回転数が高いほど、粘度が低いほど薄くなります。一般に膜厚は回転数の平方根にほぼ反比例し、回転数を4倍にすると厚さは約半分になります。レジストでは数十nmから数十μmまで、材料と回転数を選んで作り分けます。
スピンコートはコーター/デベロッパの塗布ユニットで行われ、塗布の前にHMDS処理で密着性を高め、塗布の後にベークで溶剤を飛ばします。外周部では液が盛り上がってエッジビードと呼ばれる厚い部分ができるため、端の膜を溶剤で除くエッジリンス(EBR)を行います。膜厚の均一性は、回転の条件に加えて、雰囲気の温度・湿度や排気の流れにも左右されます。材料の多くは振り切られて捨てられるため、吐出量を減らして材料を節約する工夫も進められています。Semiraiのスピンコート膜厚計算ツールで、回転数と膜厚の関係を試算できます。