スカム(Scum)とは、レジストを現像したあとに、本来レジストが除かれて基板が露出しているはずの部分に薄く残ってしまうレジストの残渣のことです。英語で「浮きかす・汚れの膜」を意味します。パターンの底に残ったスカムは、次のエッチングでマスクのように働いて膜の削れ残りを生み、イオン注入では不純物の入り方を妨げ、リフトオフでは金属が基板に付かずに剥がれる原因になります。
スカムの原因はいくつかあります。露光量が足りない、焦点がずれているといった露光条件の問題、現像の時間や現像液の濃度・温度の不足、露光後ベーク(PEB)の条件の不適切さなどです。化学増幅型レジストでは、基板表面や空気中のアミンなどの塩基性物質が、露光で発生した酸を中和してしまい、レジストの底が溶けずに残るフッティングやスカムが生じます(レジストポイズニング)。窒化膜の上や、密着性を高めるHMDS処理の副生成物(アンモニア)が影響する場合もあります。
スカムの対策としては、露光・現像条件の最適化に加え、現像後に酸素プラズマで表面をごく薄く削って残渣を取り除くデスカム(Descum)が広く行われます。デスカムはレジストを全部除くアッシングを短時間・弱い条件で行うもので、パターンの寸法を大きく変えずに底の残渣だけを除きます。塩基性物質の影響を避けるため、基板との間に反射防止膜(BARC)などの下地膜を入れる方法もあります。