テストコスト(COT)とは

Cost of Test

最終更新:2026-09-21半導体テスト装置

テストコスト(COT)とは?

テストコスト(COT)とは、半導体チップ1個あたりにかかる試験の費用で、ATEなど設備の減価償却費・消耗品・運用費を試験できたチップ数で割って求めます。概ね「設備の時間あたりコスト×テスト時間÷同時測定数」で決まるため、テスト時間の短縮・マルチサイト化・DFTによる設備の低コスト化が主な削減手段で、不良流出とのバランスが課題です。

定義・解説

テストコスト(COT:Cost of Test)とは、半導体チップ1個あたりにかかる試験の費用です。テスト装置(ATE)やプローバー・ハンドラーの減価償却費、プローブカードやソケットなどの消耗品、設備の運用費と人件費を、その設備で試験できたチップの数で割って求めます。製品によっては製造原価に占めるテストの割合が1割を超えることもあり、後工程のコスト競争力を左右する重要な指標です。

テストコストは概ね「設備の時間あたりコスト×1個あたりのテスト時間÷同時測定数」で決まります。このため下げる手段は主に3つです。(1)テスト時間の短縮:試験項目の削減や並べ替え、テストコンプレッションの活用。(2)同時測定数(マルチサイト)の拡大:1回のタッチダウンで多数のチップを同時に試験します。(3)設備コストの低減:BISTなどのDFTでテスタに求める性能を下げ、安価なテスタを使えるようにします。加えて設備の稼働率と、再試験の割合もコストに効きます。

テストコストの削減は品質とのトレードオフになります。試験項目を削ればテスト時間は短くなりますが、不良品の流出(DPPMの悪化)のリスクが高まります。逆に車載向けのように高い品質が求められる製品では、複数の温度での試験やバーンイン、システムレベルテスト(SLT)を追加するため、テストコストが大きくなります。どこまで試験するかは、製品の用途と価格に応じた経営判断でもあります。

近年はテストコストを押し上げる要因が増えています。AI向けのGPUやHBMは回路規模が大きくテスト時間が長いうえ、高速インターフェースの試験に高価なテスタが必要です。チップレットでは、組み立て後の不良による損失を防ぐため、積層前のダイを良品と保証するKGD(Known Good Die)の試験を強化する必要があります。これに対し、データに応じて試験項目を動的に変えるアダプティブテストや、前工程のデータを使った試験の最適化が進められています。

よくある質問(FAQ)

テストコストはどうやって下げますか?
主な手段は、試験項目の最適化やテストコンプレッションによるテスト時間の短縮、1回で多数のチップを同時に試験するマルチサイト化、BISTなどのDFTでテスタへの要求性能を下げて安価な設備を使うことの3つです。設備の稼働率向上や再試験の削減も効果があります。
テストを減らすと何が問題ですか?
試験項目を減らすとテスト時間とコストは下がりますが、不良品を見逃して出荷してしまうリスク(DPPMの悪化)が高まります。特に車載向けなどでは市場での不良が重大な結果を招くため、コストよりも品質を優先して試験を追加するのが一般的です。

設備の製造メーカー

アドバンテスト日本

半導体テスト装置(ATE)市場で世界シェア50%超のリーダー。SoC、メモリ、パワー半導体の包括的テストソリュ…

Teradyne(テラダイン)米国

ATE(自動テスト装置)の世界大手。SoC・メモリ・車載・産業向けに幅広いテストプラットフォームを展開し、アド…

Cohu米国

半導体テストハンドラ・テストソケット・テスト用サーマルシステムの主要メーカー。Xcerra買収後にテストエコシ…

FormFactor米国

プローブカード・ウェハプローバの世界的リーダー。先端ロジック・DRAM・3D-IC向け超高精度電気テストインタ…

関連カテゴリ

関連用語

同じトピックの用語

テスト装置 のトピックで関連する用語です。

同じトピックの企業

東京精密(Accretech)日本Technoprobeイタリア日本マイクロニクス日本ISC(アイエスシー)韓国LEENO Industrial(リノ工業)韓国エスペック日本

比較・違いを学ぶ

ウェハテストと最終テストの違い(半導体テスト工程比較)
ウェハテスト(Wafer Test / CP:Circuit Probe)はウェハ状態のままプローバーで各ダイの電気特性を測定し、不良ダイを封止前に弾く工程です
ATPGとBISTの違い(テストパターンをどこで作るか)
どちらもDFT(テスト容易化設計)の枠組みに属する技術ですが、テストの実行主体が外にあるか内にあるかという点で対照的です。実際のSoCでは両者を組み合わせ、メモ
HTOLとバーンインの違い
どちらも高温で電圧をかけて動作させる試験のため混同されがちですが、位置づけはまったく違います。片方は製品の選別工程であり、もう片方は設計・プロセスの信頼性を認定
← 用語集に戻る用語集をExcel・PDFで使う →