ケルビン接続とは、測定する対象に、電流を流すための配線(フォース)と、電圧を測るための配線(センス)を別々につなぐ接続方法のことです。4端子測定とも呼び、19世紀の物理学者ケルビン卿にちなんで名付けられました。配線や接触部の抵抗による電圧降下の影響を取り除き、小さな抵抗を正確に測るための基本的な手法です。
2本の配線だけで抵抗を測る2端子測定では、電流が流れる配線と接触部の抵抗も一緒に測ってしまいます。測りたい抵抗が数mΩ以下の場合、配線や接触の抵抗のほうが大きくなり、正しい値が得られません。ケルビン接続では、フォース線で電流を流し、対象の両端にじかに当てたセンス線で電圧を測ります。電圧計の入力にはほとんど電流が流れないため、センス線の抵抗による電圧降下が無視でき、対象そのものの電圧だけを測れます。ウェハのシート抵抗を測る四探針法も、同じ考え方に基づく測定方法です。
半導体のテストでは、パワーMOSFETのオン抵抗(数mΩ)の測定や、試験装置(ATE)の電源ユニットが出力電圧をデバイスの端子の位置で正確に保つためにケルビン接続が使われます。テストソケットでは、1つの端子に2本のピン(フォースとセンス)を当てるケルビンソケットが使われます。また、パワー半導体のパッケージでは、ゲートを駆動する基準として専用のソース端子(ケルビンソース)を設けた4端子のパッケージがあります。大電流が流れる主のソース配線の寄生インダクタンスの影響がゲートの駆動回路に及ばなくなるため、SiC MOSFETなどの高速スイッチングで損失を減らせます。