ディスペンサ(Dispenser)とは、接着剤や樹脂、はんだペーストなどの液状の材料を、決まった量だけ決まった場所に吐出して塗布する装置です。半導体の後工程では、フリップチップのチップと基板の隙間を埋めるアンダーフィル樹脂、チップを基板に貼り付けるダイボンディング用のペースト、部品を覆う封止材など、液状の材料を扱う多くの工程で使われます。
ディスペンサには、吐出の方式によっていくつかの種類があります。(1)エア式(時間・圧力式):シリンジに圧縮空気をかけ、その時間で量を決める最も基本的な方式です。(2)スクリュー(オーガ)式:ねじの回転で材料を押し出し、粘度の高い材料でも量を安定させます。(3)容積計量式:ピストンなどで決まった体積を押し出し、高い精度で量を管理します。(4)ジェット式:ノズルを基板に近づけずに、材料を高速で飛ばして打ち出す非接触の方式で、細かい場所に速く塗れます。材料の粘度、必要な量と精度、速さに応じて方式を選びます。
アンダーフィルの塗布では、チップの縁に沿って樹脂を吐出すると、毛細管現象で樹脂がチップの下の狭い隙間に流れ込みます。ボイドを残さず、はみ出しを抑えるため、吐出の量・位置・経路と、基板の温度を細かく制御します。精密な塗布では、温度による粘度の変化や、時間とともに材料が硬化する可使時間の管理も重要です。前工程でも、コーター/デベロッパでレジストや薬液をウェハに吐出するノズル部分をディスペンスユニットと呼びます。