仮接着・デボンディング(TBDB)とは、デバイスを作り込んだウェハを、ガラスやシリコンの支持基板(キャリア)に一時的に接着剤で貼り付けて薄く加工し、加工が終わった後でキャリアから剥がす(デボンディングする)技術です。TSVを使う3次元実装やHBM、薄型のパワー半導体など、ウェハを数十µmまで薄くする工程で使われます。
ウェハを50µm程度より薄くすると、自重や膜の応力で反ったり割れたりして、そのままでは搬送も加工もできません。そこでデバイス面を下にして仮接着剤でキャリアに貼り、キャリアごと扱える厚さにしてから、裏面の研削(バックグラインド)、CMP、TSVの頭出し、裏面の配線やバンプの形成を行います。処理後は薄いウェハをダイシングテープ上に移してからキャリアを剥がします。
仮接着剤には、工程中の熱(200〜300℃程度)や薬液、真空に耐えて剥がれないことと、最後にはデバイスを傷めずにきれいに剥がせることという、相反する性能が求められます。研削で厚さをそろえるため、接着層の厚さの均一性も重要です。剥離後は、ウェハ表面に残った接着剤を溶剤やプラズマで洗浄して除去します。
剥がし方(デボンディング方式)には主に4つあります。加熱して接着剤を軟らかくし横にずらして剥がす熱スライド方式、端から機械的に剥がしていくメカニカル方式、ガラスキャリア越しにレーザーを当てて剥離層を分解するレーザー方式、溶剤で接着剤を溶かす方式です。現在は、ウェハにかかる力が小さく、処理の速いレーザー方式やメカニカル方式が主流になっています。
仮接着・剥離の装置は、ウェハ接合装置を手がけるEVグループやSUSS MicroTec、東京エレクトロンなどが、仮接着剤はBrewer Scienceや国内の化学メーカーなどが供給しています。永久に接合するウェハボンディングやハイブリッドボンディングとは目的が異なり、TBDBはあくまで加工中の支持のための一時的な接着です。