ポリイミド(Polyimide)とは、分子の中にイミド結合を持つ高分子(樹脂)で、樹脂の中でも最高クラスの耐熱性を持つことが特徴です。数百℃の熱に耐え、電気の絶縁性、機械的な強さ、薬品への耐性にも優れています。薄い黄色〜茶色のフィルムとしてよく知られ、宇宙機器の断熱材や、電子機器の折り曲げられるフレキシブル基板の材料に広く使われています。
半導体では、ポリイミドはチップの表面を守る保護膜として古くから使われてきました。窒化シリコンなどの無機の保護膜(パッシベーション膜)の上にポリイミドを数μmの厚さで塗り重ねると、封止樹脂がチップに与える応力を和らげ(バッファコート)、傷や水分からもチップを守ります。メモリでは、パッケージの材料から出るα線によるデータの誤りを防ぐ遮蔽膜としての役割もありました。ポリイミドは前駆体の液をスピンコートで塗り、数百℃で加熱して硬化(イミド化)させて膜にします。光で直接パターンを作れる感光性ポリイミドを使うと、レジストを使わずにパッドの開口などを形成できます。
先端パッケージでは、ポリイミドは再配線層(RDL)の絶縁膜として重要性を増しています。ファンアウト型のウェハレベルパッケージ(FOWLP)などでは、チップの外側まで広げる細かい配線の層間を、感光性ポリイミドで絶縁します。ただし通常のポリイミドの硬化には300℃以上の高温が必要で、ウェハや封止樹脂の反りや劣化の原因になるため、200℃前後で硬化できる低温硬化型のポリイミドや、性質の近いPBO(ポリベンゾオキサゾール)などの材料が開発されています。