TGV(ガラス貫通電極)とは

Through Glass Via (TGV)

最終更新:2026-09-26・インターポーザー実装装置・先端パッケージング装置|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

TGV(ガラス貫通電極)とは?

TGV(ガラス貫通電極)とは、ガラス基板を貫通する微細な穴を銅などで導体化し、基板の表と裏を電気的につなぐ構造です。シリコンのTSVと違いガラス自体が絶縁体なのでライナー膜が不要で、高周波特性や大面積での平坦性にも優れます。生成AI向け大型パッケージのガラスコア基板を支える中核技術です。

定義・解説

TGV(Through Glass Via、ガラス貫通電極)とは、ガラス基板を厚さ方向に貫通する微細な穴を開け、その内部を銅などの導体で埋める、または内壁を導体で覆うことで、基板の表と裏を電気的につなぐ構造のことです。シリコンを貫通するTSV(Through Silicon Via)のガラス版にあたり、ガラスインターポーザやガラスコア基板で上下の配線をつなぐために使われます。

穴あけには、レーザーを照射してガラスを改質した後にフッ酸系の薬液で選択的にエッチングして穴を形成する方法(レーザー改質+ウェットエッチング)や、レーザーで直接穴を開ける方法などが使われます。前者はクラックが入りにくく、高アスペクト比の穴を多数並べて一括で形成できるため、量産向けの手法として開発が進んでいます。

穴の導体化では、ガラスに直接めっきが付かないため、スパッタや無電解めっきでシード層を形成してから電解めっきで銅を成長させます。穴を銅で完全に埋める方式と、内壁だけを覆う方式(コンフォーマル)があります。ガラスと銅は熱膨張係数が大きく異なるため、密着性の確保と、熱履歴によるクラックや剥離の抑制が大きな課題です。

TSVとの大きな違いは、ガラス自体が絶縁体である点です。TSVでは導体とシリコンを絶縁するライナー膜が必要ですが、TGVでは不要です。また、ガラスは誘電損失が小さいため高周波の信号伝送に有利で、熱膨張係数を組成で調整でき、大面積のパネルでも平坦性を保ちやすいという利点があります。

生成AI向けの大型パッケージでは、有機樹脂のコア基板の反りや配線密度が限界に近づいていることから、ガラスコア基板への置き換えが検討されています。TGVはその中核となる技術で、ガラスメーカー・基板メーカー・装置メーカーが量産技術の確立を進めています。

この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)パッケージ基板エンジニア

よくある質問(FAQ)

TGVとTSVの違いは何ですか?▾
TSVはシリコン基板を、TGVはガラス基板を貫通する電極です。シリコンは半導体なので、TSVでは導体との間に絶縁用のライナー膜が必要ですが、ガラスは絶縁体なのでTGVでは不要です。ガラスは誘電損失が小さく高周波に有利で、大面積のパネルで作れる点も異なります。
TGVの穴はどうやって開けますか?▾
代表的なのは、レーザーを照射してガラスの内部を改質し、その部分をフッ酸系の薬液で選択的に溶かして穴にする方法です。クラックが入りにくく、多数の穴を一括で形成できます。ほかにレーザーで直接穴を開ける方法もありますが、熱によるクラックの抑制が課題になります。
TGVが注目されている理由は何ですか?▾
生成AI向けのGPUのように、複数のチップとHBMを1つに載せる大型パッケージでは、有機樹脂のコア基板の反りや配線密度が限界に近づいています。ガラスコア基板は平坦で寸法が安定しており、微細な配線を作りやすいため置き換えが検討されていて、その表裏をつなぐTGVが中核技術になっています。

設備の製造メーカー

AGC(旭硝子)日本

世界最大級のガラス・化学素材メーカー。半導体分野ではEUVマスクブランク用超低熱膨張ガラス基板の主要サプライヤ…

大日本印刷(DNP)日本

フォトマスクの国内大手メーカー。半導体・ディスプレイ向けフォトマスクを中心に、印刷技術を応用した精密加工・材料…

TOPPANホールディングス(Toppan)日本

印刷技術から発展した多角化企業で、半導体向けフォトマスク・パッケージ基板・ガラスコア基板を提供。日本・台湾・韓…

Intel米国

世界最大のCPUメーカー。従来はIDMとして自社プロセスでCPUを製造してきたが、Intel Foundry …

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