用語イオン注入装置最終更新 2026-10-10出典 2件Excel・PDF版

LDD(低濃度ドレイン)とは

Lightly Doped Drain (LDD)

LDD(低濃度ドレイン)とは、MOSFETのドレインのゲート端側だけを低い不純物濃度にして電界を和らげ、ホットキャリアによる劣化を抑える構造です。ゲートをマスクに低ドーズ注入し、サイドウォールスペーサの形成後に高ドーズのソース・ドレインを注入して自己整合的に作ります。先端品では浅く高濃度のエクステンションに発展しました。

目次7項目
  1. 定義・解説
  2. 図解
  3. よくある質問
  4. 設備の製造メーカー
  5. 関連用語
  6. 比較・違いを学ぶ
  7. 出典・参考資料

定義・解説

LDD(Lightly Doped Drain、低濃度ドレイン)とは、MOSFETのソース・ドレインのうち、ゲートの端に接する部分だけを低い不純物濃度にした構造のことです。ドレインの端に集中する電界を和らげ、ホットキャリアによるトランジスタの劣化を抑える目的で、1980年ごろに実用化されました。

トランジスタを微細化すると、ドレインの近くで電界が非常に強くなり、加速された高エネルギーの電子(ホットキャリア)がゲート酸化膜に飛び込んで捕獲され、しきい値電圧などの特性が時間とともに変化します。LDD構造では、ドレインとチャネルの境目に低濃度の領域を挟むことで、電位の変化をなだらかにして電界のピークを下げます。作り方は、ゲート電極を形成した後、ゲートをマスクにして低いドーズでイオン注入し、次にゲートの両側に絶縁膜の側壁(サイドウォールスペーサ)を形成し、その外側に高いドーズでソース・ドレインを注入するという順序で、自己整合的に2段の構造ができます。

LDDの領域は抵抗が高いため、トランジスタの電流を減らしてしまうという欠点があります。そこで世代が進むと、この領域は濃度を高めつつ浅く形成するソース・ドレインエクステンション(SDE)へと変わりました。現在のLDD/エクステンションは、ヒ素やボロンを低エネルギーで浅く注入し、短チャネル効果を抑えるハロー(ポケット)注入と組み合わせて形成されます。電源電圧の高いパワー用や高耐圧のMOSFETでは、電界緩和のための低濃度ドレイン構造が今も重要です。

図解

LDD(低濃度ドレイン)構造の形成手順(ゲート・低ドーズ注入・スペーサ・高ドーズ注入)
スペーサの幅が、低濃度領域の長さを自己整合的に決める。

よくある質問(FAQ)

LDD構造はなぜ必要なのですか?
微細なMOSFETではドレインの端に電界が集中し、加速されたホットキャリアがゲート酸化膜に捕獲されて特性が劣化するためです。ドレインの端に低濃度の領域を設けると電界のピークが下がり、トランジスタの寿命と信頼性を確保できます。
LDDとソース・ドレインエクステンションの違いは何ですか?
どちらもゲート端に形成する浅い領域ですが、LDDは電界緩和のために濃度を低くした構造です。エクステンションは微細化に合わせて抵抗を下げるため、濃度を高くしつつ非常に浅く形成したもので、ハロー注入と組み合わせて短チャネル効果を抑えます。

設備の製造メーカー

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比較・違いを学ぶ

出典・参考資料

  1. 日新イオン機器(イオン注入ディクショナリー)「LDD」(2026/10/10 確認)
  2. 群馬大学 松田順一「CMOSプロセス・フロー概要(令和3年度 集積回路設計技術・次世代集積回路工学特論資料)」(2026/10/10 確認)