サブストレート(Substrate)とは「基板」のことで、その上に膜を形成したり素子を作り込んだり、部品を実装したりする土台を指します。英語では「下地・土台」を意味する一般的な言葉で、半導体の分野では、素子を作るウェハ(半導体基板)と、チップを実装するパッケージ基板の2つの意味で主に使われます。文脈によってどちらを指すかが変わるため注意が必要です。
前工程でのサブストレートは、トランジスタなどの素子を作り込むウェハそのものです。最も広く使われるのは単結晶のシリコン基板で、用途に応じて、絶縁膜の上に薄いシリコン層を持つSOI基板、パワー半導体向けのSiC(炭化ケイ素)基板、LEDや高周波向けのサファイア・GaAs・InP基板などが使われます。基板は素子を物理的に支えるだけでなく、上に成長させる結晶の土台(テンプレート)でもあり、基板と膜の格子定数や熱膨張係数が合わないと、エピタキシャル膜に転位や反りが生じます。トランジスタの動作を説明するときには、基板の電位(基板バイアス、バックゲート)という意味でも使われます。
後工程でのサブストレートは、チップを載せてプリント基板との間を電気的につなぐパッケージ基板です。BGAなどのパッケージでは、ABFなどの樹脂の絶縁層と銅の配線を積み重ねた有機基板が主流で、大型のAI向けGPUでは基板の配線の細かさと大きさが性能と供給の制約になっています。次世代の基板として、反りが少なく微細な配線に向くガラスコア基板の開発が進められています。パワーモジュールでは、セラミックに銅を張り合わせたDBC基板などの絶縁基板が使われます。