車載半導体とは

Automotive Semiconductor

最終更新:2026-09-26・パワー半導体|用語集のExcel・PDF版をダウンロード

車載半導体とは?

車載半導体とは、ECUのマイコン、インバーターのパワー半導体、カメラやレーダーのセンサー、自動運転向けSoCなど、自動車に搭載される半導体の総称です。高温・振動・長期使用に耐える信頼性が求められ、AEC-Q100などの試験基準やISO 26262の機能安全に対応します。多くは成熟プロセスで作られ、10年以上の長期供給が前提です。

定義・解説

車載半導体とは、自動車に搭載される半導体の総称です。エンジンやブレーキを制御するECU(電子制御ユニット)のマイコン、電動車のモーターを駆動するインバーターのパワー半導体、カメラ・レーダー・加速度センサーなどのセンサー、自動運転やインフォテインメント向けのSoC・メモリ、電源管理用のアナログICなど、多くの種類が含まれます。

車載半導体には、民生品より厳しい品質と信頼性が求められます。エンジンルームなどの高温環境や振動、長期間の使用に耐え、故障が人命に関わるためです。信頼性試験の基準として、AEC(Automotive Electronics Council)が定めるAEC-Q100(IC)、AEC-Q101(ディスクリート半導体)などがあり、動作温度範囲で分けたグレード(Grade 1は-40〜125℃など)が規定されています。

品質管理の面では、自動車業界の品質マネジメント規格IATF 16949や、電子制御システムの機能安全規格ISO 26262への対応が求められます。不良率はppm(100万個あたり)からさらにその下を目標とする「ゼロディフェクト」の考え方で管理され、製造工程の変更には顧客への事前承認が必要になるなど、変更管理も厳格です。

車載半導体の多くは、最先端ではない成熟プロセス(数十nm〜数百nm)で作られます。設計の実績と長期供給が重視され、同じ製品を10年以上供給し続けることも珍しくありません。一方で、自動運転(ADAS)向けのSoCでは先端プロセスの採用が進んでいます。2020〜2022年には、需要の急回復と成熟プロセスの供給不足が重なって車載半導体の不足が深刻化し、自動車の減産につながりました。

電動化によって、1台あたりの半導体の搭載金額は大きく増えています。特にインバーターやオンボードチャージャーで使うIGBTやSiC MOSFETなどのパワー半導体の比重が高まっており、ルネサス エレクトロニクス、インフィニオン、NXP、STマイクロエレクトロニクス、ロームなどが主要なサプライヤーです。

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この用語を扱う職種

後工程(実装・テスト)顧客品質エンジニア(CQE)事業・サプライチェーン半導体の製品企画・マーケティング

よくある質問(FAQ)

AEC-Q100とは何ですか?▾
自動車用電子部品の業界団体AEC(Automotive Electronics Council)が定めた、車載ICの信頼性試験の基準です。高温動作寿命や温度サイクルなどの試験項目と条件が決められており、動作温度範囲によってGrade 0(-40〜150℃)やGrade 1(-40〜125℃)などのグレードに分かれます。ディスクリート半導体向けにはAEC-Q101があります。
車載半導体に古いプロセスが多いのはなぜですか?▾
車載では信頼性の実績と長期供給が最優先されるためです。量産実績のある成熟プロセスは品質データが蓄積されており、10年以上同じ製品を作り続けることもできます。また、パワー半導体やアナログIC、センサーは微細化による利点が小さいこともあります。一方、自動運転向けのSoCは演算性能が必要なため先端プロセスで作られています。
2021年頃に車載半導体が不足したのはなぜですか?▾
コロナ禍で自動車メーカーが発注を減らした間に、在宅需要でパソコンや家電向けの需要が急増し、成熟プロセスの生産枠が埋まったためです。その後の自動車需要の回復に供給が追いつかず、工場の火災や寒波による停電も重なって不足が長引き、世界的な自動車の減産につながりました。

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